蒼き流星SPTレイズナー 第2話『彼の名はエイジ』

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レイズナーの第二話を視聴しましたので感想です。

ついに主人公のエイジが登場しましたが、国連の職員からは完全に敵対勢力として扱われます。それも当然で彼らはグラドスの存在など知りませんし、そもそもエイジの立ち位置がどうであれ、地球側から見ればエイジが戦闘したことが、仲間の死に直結しているのですから不審人物として扱うのは当然でしょう。

SPTに乗り込むシーンが初登場。リフトで吊り上げて頭部のコクピットにまで登るのですが、SPTって降着姿勢的な機能ってあるんでしたっけ?地球に帰ってきた後、どうやって乗り込んでいたっけな…

火星という重力の低い環境であるので、この乗り方でも問題はないでしょうが、SPTってかなりデカいですからね、地球に帰還した後の描写にも要チェックですね。

余談ですが、高橋良輔監督は、その作品において二足歩行ロボットの問題点である『どうやってあんな高い位置にあるコクピックに乗り込むのか?』について真剣に考え続けられた表現者であると思います。その答えの一つが、ボトムズガサラキで見られた降着姿勢であることは有名ですね。二足歩行ロボットという嘘にリアリティを与える細かな設定が、高橋監督作品における魅力の一つだと思います。

最悪の状況下でも懸命に情報収集と現状の打破に全力を尽くす、国連職員とドクター・エリザベス。彼らは状況に絶望することなく、自らの任務を尽くそうとします。こういう仕事に取り組む大人の姿勢が、高橋監督作品の魅力ですね。というか生き残りに女性職員が二人もいたんですね、しかし、この二人も…になっちゃうんですよね。

アーサーやシモーヌ達も今のところ落ち着いています、しかし、アンナが言うように彼らはまだ状況が呑み込めておらず、恐怖を感じるところまで行っていないのでしょう。唯一恐怖を感じているのは親友に目の前で死なれたデビッドだけです、一見すると快活で逞しそうな彼がショックに打ちひしがれているのが、印象的です。

エイジのレイズナーとゲイル達3機のSPTとの追跡、戦闘が始まります。どのSPTもコンピューターと対話によって処理が行われます。またゲイル達は互いのカメラとの情報共有も行っているようです。

ボトムズでもキリコが、イプシロンとの対決に備えてミッションディスクを音声認識によりプログラミングするシーンがありましたし、ガサラキでは直接戦闘を行うTAを指揮所のオペレーターが支援をしていましたが、ロボットアニメの戦闘を単なるドンパチの連続にせず、兵器として戦術、戦闘としてリアリティを高めるためにはどうするか?そこを真剣に向き合っているからこそ今見ても緊張感と現実性が失われていないのだと思います。

戦闘時のパイロットは極度の興奮状態にあり、自らの五感だけで得られる情報は限られます、そこをサポートするべくコンピューターやオペレーターが大局的な情報を提供するというのは、当たり前といえば当たり前なのですが、それを話作りに取り込んでいる先見の明というのはやはり際立っていると思います。

それにしてもゲイルは冷静かつ優秀な軍人ですが、そんな彼でも地球人を抹殺することに迷いがありません、確かゴステロの部下には非戦闘員を攻撃することに戸惑っている兵士が居たと思うのですが…