蒼き流星SPTレイズナー 第15話『蒼き流星となって』

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※ネタバレに加えて批判的な内容が多いです。

 

ゲイルの基に回収されたカルラがやってきますが、明らかに落ち込んでいる様子です。捕虜を逃がすなんて大失態を犯してしまったのですから、落ち込むのも当然でしょう。

そんなカルラに対してゲイルは背を向けたままで気のない返事をするだけです。カルラは自分の置かれた惨めな立場に耐え切れなくなったのか、隣にいた兵士の銃を奪って自決しようとします。ゲイルが自分を処罰すらしようとしないなら、自らの手で責任をとるとのことですが、これに関してはゲイルに対するアピールもあるのかもしれないですね。(本当に責任をとって自決するなら自室に帰ってから一人で死ねばいいのですから。)

カルラが兵士と揉み合いになって収拾がつかなくなりますが、そこへゲイルがカルラにビンタを放って無理やり場を治めます。カルラはそのまま床に頭を打ち付ける……かと思いきや、寸前のところでゲイルがカルラの腕を掴んで助けます。

ゲイル曰く、自分がこの艦の責任者なのだから、この艦で起きたことの全ては自分に責任がある……とのことなのですが、いや…あんたが私情を挟んだ曖昧な態度をとり続けて部下を混乱させてきたから、事がここまで拗れたと思うのですが…カルラが暴走してしまったのもゲイルのそういう態度ゆえなのですが、責任とか感じていないんでしょうか、この人は。

殴られたカルラは改めてゲイルに惚れ直したような晴れ晴れとした表情をしており、自室で入眠中のゲイルの基に忍び込むとゲイルの寝顔にキスをしようとしますが、結局できず、そのまま立ち去ります。カルラにとってそれがゲイルに対する最大限の愛情表現なのでしょう。カルラはゲイルからの愛情を確かに胸に抱くのですが…

えー、ここまで散々ゲイルに振り回され続けて、前回なんてそれでかなり不機嫌そうにしていたのにビンタ一発喰らって惚れ直すって、それでいいのかカルラ少尉…

この二人の関係ってまるでDV彼氏とそれに尽くす彼女みたいですね。不憫にもほどがあるぞカルラ少尉。

 

結局エイジ達のシャトルはゲイルの追撃艦を振り切ることが出来ず、交戦することになってしまいます。カルラは自分も一緒に出撃させるよう願いますが、ゲイルはエイジには名誉ある死を与えるとか言ってカルラを艦に残し、他のSPTにも手出ししないよう命令します。(まだ私情を挟むのか…)

と、そこに接近中の地球の艦隊が、ゲイルはまずその地球艦隊と交戦するのですが、当然というか何というか、地球艦隊は何の抵抗も出来ず、壊滅させられます。(このパターンも多いなぁ…)

 

そしてゲイルとエイジの決戦になるのですが、圧倒的に不利な状況に追い込まれたレイズナーは、再び蒼い炎を纏って急激な運動を開始し、ゲイルのグライムカイザルを一方的に撃破します。これこそが、レイズナーの緊急脱出機能『V-MAX』になります。

この絶体絶命の状況下で通常ではありえない性能を発揮する、というギミックはかなり革新的だったようで、漫画アニメゲームを問わず色々と影響を与えているようですね。

 

というわけでゲイルは愛する後輩の手によって物語から退出していきました。

……それにしてもどーなんですかね、このゲイルというキャラクターは。狙いとしては一応、(ある程度)人道的であり、武士道・騎士道精神の持ち主として表現されているキャラクターだとは思うのですが、それらが曖昧かつ優柔不断でしかも仕事に私情を挟むという非常に中途半端な人物像にしかなっていないように感じます。

武士道・騎士道精神にしてもエイジが投降した際、捕虜は丁重に取り扱うと言っておきながら、第一話で国連職員とCCCの大部分を殺したのはゲイル指揮下の部隊なわけで、(もしかしたら違うのかもしれませんが)あの国連基地が軍事施設じゃないことくらいゲイルは理解できるはずだと思うのですが…

そこら辺も不徹底ですし、なんとも中途半端さが否めないキャラクターだったとしか思えません。

ロベリアやカルラといった下級指揮官、兵士は真っ当に表現されているのにゴステロやゲイルといった中級指揮官が、問題大ありってグラドス軍ってヘンな組織だと思います。