蒼き流星SPTレイズナー 第12話『さよならの赤い星』

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※引き続きネタバレしています。

 

ゲイル達の母艦内。収集した地球側のデータを分析するゲイル達。やはり大した脅威でも無いと判断し、ゲイルは部下のアッシュに出撃を命じます。と、ここでカルラがもう一度自分に指揮を取らせるよう名乗り出ます。(アッシュはカルラとのやり取りから見て同級者である少尉でしょうか。)

しかし、ゲイルはカルラに疲労が溜まっているとの理由でこれを却下します。明らかに奥歯にものが挟まった言い方に食って掛かるカルラですが、それならば、とゲイルは君はエイジに対して深追いし過ぎる、と本音を突きつけます。

しかし、カルラも反論したようにエイジに最も入れ込んでいるのはゲイル本人です。視聴者からしても、カルラからしてもゲイルはエイジを本気で殺す気があるのかどうかあやふやなままです。部下であるカルラからすれば、上官が曖昧な指示しか出さないというのは不信感を抱かせるのに十分でしょう。このカルラというキャラクターはゲイルに惚れているのは確かですが、だからといってアバタもえくぼのような妄信状態では決してなく、あくまで少尉という士官の最下級の任務を果たそうとしており、ゲイルの曖昧な対応は迷惑でしかないでしょう。

 

アストロホーク号に戻ったダニー少佐ですが、そこにアッシュ指揮下のグラドス軍SPTが襲い掛かります。今回はグラドス軍も本気で攻撃を加えており、アストロホーク号は何の抵抗も出来ずに撃沈し、ダニー少佐以外の米軍人も全員死亡してしまいます。ダニー少佐だけはエイジらに回収され、エリザベスの治療を受けますが、エイジの懸念がそのまま的中する形となってしまいました。

圧倒的な力の差を見せつけられダニー少佐もようやく事の重大さがわかったようであり、エイジを呼びだして話を聞きます。が、話といってもグラドスの身勝手さを責めるような内容になってしまい、あくまで一人の少年でしかないエイジにそんなことを言っても仕方がない気がするのですが…

ただ、エリザベスがダニー少佐のグラドスに対する武力による徹底抗戦姿勢を咎めた際、それならなぜ君はグラドス人とコンタクトを取って話し合いの場を設けようとしなかったと、詰め寄りますが、それに対してエリザベスは無差別に攻撃を加えてきて逃げるのに精一杯だったと言い返します。ダニー少佐にすればそんな相手に交渉も何もなく、戦うしか生き延びる道は無いと考えてしまうのも無理はないでしょう。

グラドスは上は総指揮官のグレスコから下はゲイルやゴステロのような前線指揮官まで地球人を抹殺するという基本方針を徹底しています。一応、ロベリアのように個人単位では非戦闘員の攻撃に強い抵抗感を示す者もいますが、全体の方針としてそうなっている以上従わなければならないでしょう。(それに反すれば軍法会議という不名誉が待っているはず。)

そういえばエイジは地球の危機を伝えに来たという強固な意志はわかるのですが、ならば地球とグラドスが接触した際にどうコミュニケーションをとるのか、またはとって欲しいのか、となるとあまり明確な考えは無いようです。勿論、エイジにしてみれば自分の故郷である地球がグラドスの侵攻に対して何らかの備えをしてくれれば良い、という考えなのでしょうが、それがグラドスとの全面戦争という選択肢になることも十分考えられます。前述したようにグラドス側に話し合う姿勢など一切感じられないのですから。

 

しかし、そうだとしてもダニー少佐の高圧的な姿勢は目に余ります。まぁ少佐にしてみれば唯一の軍人である自分が全員を命令下に置くのは当たり前と思っているのかもしれませんが。再びエイジ、それにデビッドとロアンにまで銃を向けてシャトルで自分を接近中の米軍艦隊まで送るように命令します。それに対して抗議をしたエリザベスに対して遊底を引いていつでも撃てる状態にした銃を突き付けます。

しかし、そんな状況下においてもエリザベスは一切動じず、エイジを連れて行くなら自分もそしてシモーヌとアーサーも一緒に行くと宣言します。(なぜアンナを含めなかったのか謎ですが…)自分達が行くのはエイジが行くからだ、と…

こういう毅然とした姿勢、本当にカッコいい大人の女性ですね。自分はエリザベスより大分年上ですが、何分の一もの迫力は無いなぁ…

襲撃してきたゲイル隊を振り切り、火星を後にするエイジ達。物語が始まった時はあれだけの人間が暮らしていた火星もこの段階ではわずか数名を残すのみ。まだまだ苦難は始まったばかりです。

 

 

余談…それにしても今話は作画が非常に安定しており、SPTの高機動性をこれでもかと表現できています。基本的にレイズナーは作画が安定している印象がありますが、今話は単に作画が綺麗というだけでなく、カメラアングルも非常に凝っており、ディマージュがアストロホークに接近するシーンなど「おぉ!」と言いたくなります。

しかし、これでもまだレイズナーの作画は序の口でもう少ししたらとんでもないレベルの作画が現れます。