蒼き流星SPTレイズナー 第13話『宇宙にむなしく』

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火星からトライポッドシャトルで脱出した一行。しかし、ダニー少佐は相変わらずエイジ達に対して高圧的に接しています。

と、接近中の米軍艦隊と交信することが出来ました。これで助かったと安堵する一同ですが、米軍艦隊の指揮官はダニー少佐の火星は異星人の勢力下にあり、接近することは極めて危険である、という忠告を信じず、そのまま火星に向かうことを通告してきます。

まぁ、忠告しているダニー少佐だって船と部下を失うまで異星人ーグラドスの脅威を信じようとはしなかったので、米軍艦隊司令官の態度もやむを得ないとは思いますが…

ダニー少佐の忠告を無視した米軍艦隊はそのままグラドス軍と接触し、何の抵抗も出来ないまま全滅してしまいます。

ようやく遭遇した地球人からも信じてもらえないエイジ達、シモーヌの「軍人の頭は鉄かジュラルミンで出来ているのよ!」という台詞がやるせなさを感じさせます。それにしてもシモーヌはあんまり積極性というのは感じられませんが、印象的な台詞を数多く残しています。なんというか教養がある、という感じがしますね。

 

絶望感に包まれるシャトル内ですが、その時シャトルに接近してくる新たな船団がレーダーに反応しました。早速通信を行いますが、何故かその船団は通信に反応しようとしません。訝しむ一同ですが、その時アーサーが、接近してくるのはソビエト連邦の艦隊に違いないと気がつきます。(このようにアーサーは事の本質に真っ先に気がつくことが多い。)

忘れそうになりますが、このレイズナーというアニメの世界観の根幹は、米ソの軍事的緊張、つまり冷戦状態に異星人が介入してくる、というものです。米軍人であるダニー少佐にとってソ連軍とコンタクトをとることは当然躊躇われることです。しかし、危機が差し迫ったこの状況において背に腹は代えられません。ダニー少佐は国際宇宙救助法に基づき救助を要請します。

ソ連側もダニー少佐の意図が読めないため、思案に時間がかかりましたが、結局はダニー少佐らを受け入れることを決めました。これで今度こそ助かると喜ぶ一同でしたが、お客さん扱いされるわけもなく、エイジは別室に監禁され、ダニー少佐も必死にグラドス軍の脅威を訴えますが、自らの武力に自信を持つソ連軍はダニー少佐の進言を拒否し、少佐を体よく捕虜にしようとします。

そしてソ連軍はそのままグラドス軍と交戦に入るのですが、まぁかなうはずもなく…ダニー少佐のアストロホーク号から始まって、米軍艦隊、そしてソ連艦隊と同じ過ちをひたすらに繰り返しています。異星人の襲来という異常事態を信じられないのはわかりますが、もうちょっとどうにかならんのか、という気がしてなりません。今回のソ連側にしたら米軍艦隊が壊滅後のことなのですから、同程度の戦力であろう自分達が戦ったらどうなるか、分からんでも無いと思うのですが…

 

が、ダニー少佐も黙って従うことは無く、見張りのソ連兵を倒すと監禁していたエイジを解放します。少佐は軍人としてのルールよりもエイジ達を信じることを優先したようです。ここに来て初めてエイジと少佐の心が通じた良いシーンです。

しかし、ダニー少佐はエイジ達を脱出させるために単独でソ連兵に立ち向かい、射殺されてしまいます。大人が死んで子供だけが残されるというのが、これまでも何度も繰り返されてきましたが、また一人、エイジ達は協力者を失ってしまいました。

 

 

余談…今話はあんまり詳細にレビューする気がしなかったので簡単に。別に面白くないわけじゃないのですが、次の話が面白すぎたからかな。