イヒカの巨人探索記 弐の銅鐸編

和歌山県は県全体に魅力的な名所旧跡、レジャー施設が存在しており観光地としては日本有数の土地だと私は思いますが、その和歌山県で最大の観光地といえば白浜町なのではないでしょうか。美しいビーチで楽しむマリンスポーツ、豊富な温泉、美味しい海の幸、各種レジャー施設(パンダもいる!)などなど訪れたことがなくても白浜=観光地というイメージがあるかと思います。また和歌山県というのは魅力的な土地ではありますが、私がこれまで何度か訪れた経験上、お世辞にもアクセスが良いとは言えないと思います。前回の記事で紹介した串本町は新大阪から特急で約3時間30分かかりますし、いつか行こうと思っている熊野大社も最寄り駅である新宮までですら、新大阪から4時間30分ほどかかることが未だに舞台巡りを躊躇させています。それに比べると白浜町は新大阪から2時間30分程度とまだアクセスがよい立地かと思われます。(卍丸達は簡単に国内を移動しますが、実際に舞台巡りをすると日本は広いし、時間もかかります。あと金も…)

さて、そんな魅力たっぷりな白浜町ですが、天外魔境Ⅱでは白浜村として登場します。白浜村の入口に立っているNPC曰く

 

紀伊最大の温泉地白浜へようこそ!!

美しい景色とおいしいお食事を

たっぷりたんのうしてくださいね!!

 

 とのことですので、やはり天外魔境Ⅱの世界においても温泉・景色・食事が魅力の土地ということになっているようです。また、浜辺には料理人の老人もいるなど観光地であることが特に強調されています。

少し話は変わりますが、天外魔境Ⅱの魅力の一つに『NPCの台詞が面白い』というものがあります。笑えるものからシュールなもの、人生の奥深さを感じさせるものなどなど…面白いものばかりですので二週目以降もついつい全てのキャラに話かけてしまいます。(暗黒ラン封印後に台詞が変化するのも見逃せない)さて、そんな魅力的な天外Ⅱの台詞ですが、白浜村にもインパクトの強いNPCの台詞があります。白浜村の宿屋の温泉にいる老人NPCに話しかけると

 

ええ湯じゃ…

湯気がのぼっとるのう

地上に生み落とされたものは

いつか天に召される

この湯気のようにな

人間もしかり根の一族もしかり…

少しノボせたようじゃ

思わず哲学ってしまったのう

 

と、白浜の温泉の素晴らしさを称えていますが、卍丸が銅鐸を入手するために温泉の源泉を枯らしてしまうと(ひどい)老人NPCの台詞が次のように変化します。

 

ええ湯じゃ…

湯気がのぼっとるのう

…と思ったら

湯がないがな!!

 

湯がないがな!! 湯がないがな!!

湯がないがな!! 湯がないがな!!

湯がないがな!! 湯がないがな

 

 

この『湯がないがな!!』の連呼が非常にインパクトが強く、印象にも残っており、天外魔境の台詞の中でもトップクラスの知名度があるのではないでしょうか。(たぶん)

そもそも私が白浜町に舞台巡りに行こうと思ったきっかけはこの『湯がないがな!!』発言が妙に心に残ってしまい、段々と『本当に温泉があるのかどうか確かめたい!』という気持ちが沸き上がってきまして(あるに決まってますが)、是非とも白浜の温泉に入ってみたい!というのが舞台巡りのきっかけでした。そして今年の4月に念願叶って白浜町に舞台巡りに行くことが出来ました。前回の串本町への舞台巡りから5年の月日が経ってしまいましたが、気合入れて弐の銅鐸を探すぞー!

 

白浜村へ 

前回の串本町への舞台巡り時と同じく新大阪駅から特急くろしおに乗って出発です。ちなみにこの時はファミ通で平成のテレビゲームについてのアンケート特集をやっていましたので新大阪駅の本屋でファミ通を立ち読みして、天外魔境Ⅱが40代が選ぶ名作ゲームでランクインしているのを確認しました。(買えよ)しかし、天外Ⅱって40代が選ぶゲームなんですね…まぁ、発売が92年だから当時、中学生・高校生の人はもう40代なんでしょうねぇ、周囲に話が出来る人がいない訳だ…

 

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それはそうと天気も快晴だったこともあって車窓からの景色も良く、道中も楽しめました。和歌山は緑が濃い印象がありますね、それに景色も広いように感じます。後で触れる太平洋もそうですが、とにかく和歌山は広さを感じますね。特別平地が多いという訳ではないのでしょうが、何故か和歌山は広く感じます。

 

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うちはパンダでやっていくでぇ~という意思を感じる駅デザイン

 

そうこうするうちに白浜駅に到着。駅前はこんな感じです。こぢんまりとしていますが、いかにも年季の入った観光地って感じでこの光景は好きですね。何が良いってコンビニやファミレスみたいな普遍性の高い店舗が無いのが良いですね。コンビニやファミレスって便利だけど、どこに行っても同じで風情がないですからね。こういう壁のシミ一つとってもその土地の歴史が感じられる店舗って、あぁ全然知らないところに来たな~っていう思いに浸ることが出来るし、こういう食堂や売店でコーヒー飲んだり、お土産買ったりするのが楽しいんですよね~

 ホテルまでバスで移動。確か20分くらいかかったと思います。道中では観光地白浜らしくホテルや旅館を数多く見かけました。しかし、営業中の宿も多かったですが、廃墟と化した宿も多かったですね…これは白浜町が観光地としての盛りを過ぎたことの象徴なのかどうか…

 

白浜村を塞いでいた『あの』岩

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まるで砲弾で撃ち抜いたような穴

そんなことを思いつつバスに揺られていると右手にこのような奇岩を発見。これは『円月島』と呼ばれ、その名の通り円月状の海蝕洞が真ん中にぽっかりと開いています。日没時には夕日がこの穴を通り、和歌山でも屈指の観光スポットだそうですが、私は夕日の時間はたぶん温泉に入っていたと思うので見られませんでした…

さてこの円月島、中央の穴が特徴的ではありますが、これを見ると何かを思い出さないでしょうか?天外魔境Ⅱの白浜村には入江を塞ぐように大岩が居座っています。その大岩は神タタの船の砲撃で破壊することが可能なのですが、この白浜村の大岩を砲撃で破壊するというイベントは円月島が元ネタなのではないでしょうか?確かに円月島のあまりにも綺麗に開いた穴は人為的に開けたのでは?と思わせるものがありますので、その発想が天外Ⅱにも活かされているのではと思います。

 

岩に塞がれていた砂浜 

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本当に綺麗なビーチでした。


さて円月島から少し行くと『白良浜』に到着しましたので、ここでバスを降りました。この白良浜は砂が真っ白で非常にきめ細かく、実際に歩いてみると足に伝わる感触が他の砂浜とは全く違います。海もマリンブルーで美しく全体の景観として非常に優れた観光地だと思います。海水浴のシーズンに来れたらもっと魅力的なのでしょうが、シーズン外だからこそゆっくりと散策することが出来たとも言えます。それにしてもシーズン外の夕方なのに愛を語らうカップルの多いこと…

この白良浜が天外Ⅱの白浜村の入江のモデルなのではと思います。入江のえぐれた感じがよく似ているかと。温泉が枯れた後の宿屋のNPC曰く

 

だろうな…

白浜から温泉をとったら

残るのは砂浜だけだもんなぁ…

 

とのことですが、確かにそれだけの魅力はあるビーチだと思います。

 

湯がないがな。の宿へ

 

さて白良浜を堪能した後はホテルに徒歩で向かいます。その途中にこんなオブジェを発見していやが上にも温泉に対する期待が高まります。

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浸かってるねぇ。

そして今回泊まったホテルがここ

 

www.jalan.net

 

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部屋に荷物を置いてすぐに温泉へGO!!勿論、温泉内で写真は撮れませんでしたが、室内湯が一つに露天風呂が3つという素晴らしさ!誰も入ってこなかったのでゆっくり犬かきも出来ました。(じゃらんに温泉の写真があります)結論としては白浜に『湯はあった』ということで(当たり前ですが)

露天風呂に浸かりながら舞台巡りのことについて考えると卍丸はこんなにいい湯を枯らすとか根の一族を倒すためとはいえ罪なことをしたもんです。エンディングでマリが全ての生命を蘇らせましたが、きっと白浜の源泉も復活させたはずです。(卍丸が罪悪感を覚えているとしたらマリも復活させたはず…たぶん)

そして温泉を確認したということで『弐の銅鐸』を入手完了!(源泉が枯れていないのにどうやって手に入れたんだ?というのは置いといて)

 美味しい食事

温泉を堪能した後は食事のために外出。意外?なことに白良浜周囲にはあんまり飲食店がないようです。いや、あるにはあるのでしょうが、一人でふらっと入って飲み食い出来るこぢんまりした店が限られるようです。で、散策しているとこの寿司屋を発見したので入りました。 

完全にシーズンオフということもあり、誰も客がおらず貸し切り状態でゆっくりできたのですが、とにかくここの寿司は美味い!こんなに甘くて歯ごたえのある寿司を食べたのは初めてでした。勿論私が回らない寿司屋に入ったことなど数えるほどしかないのですが、それでもここの寿司が断トツで美味いことは確かです。(築地で食った寿司よりうまい)しかも安い!確か握りのセットが千円未満だったはずです。一品料理も美味しく、酒は剣菱を飲みつつ、大将から和歌山のことを色々と教えてもらい楽しい時間が過ごせました。いや~本当に美味かったですね、次に来ることがあれば絶対また寄ります。

 

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自分の金で回らない寿司屋に行くと『俺も大人になったなぁ~』って実感しますね。

 

翌日の朝食はホテルのバイキングだったのですが、このホテルの食事も美味しかったですねぇ。全部美味いのですが、とにかく金山寺味噌と梅干が美味しくて、何回もおご飯をおかわりしました。(あと茶漬けの汁が茶じゃなくて鯛出汁だったのも見逃せない。)和歌山は本当に食べ物が美味しい土地だと思います。

 

千畳敷 

 

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帽子を被っていると100%飛ばされると思います。

朝食が済んでチェックアウトしたら、まずは千畳敷に向かいます。奇妙な形の岩盤が広がる広大な光景です。強い風に吹かれながら太平洋が一望できるのですが、ここに来ると本当に太平洋って広大だなぁと実感します。私にとって海といえば日本海が一番馴染みがあるのですが、何故か分かりませんが、太平洋の方が広大な印象を受けます。風に吹かれながら沖の方を眺めると卍丸達が神タタの船で和歌山へ向かっている姿が浮かんでくるようです。

 

三段壁洞窟ー竜神洞 

 

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いかにも海賊の住処っぽい洞窟内。上から見下ろすと船を隠すのに向いた地形であることがわかる。

千畳敷の次は徒歩10分ほどで三段壁洞窟へ。ここに来ると時間も10時頃ということもあるのか一気に観光客が増えてきましたが、聞こえてくるのは中国語と韓国語がほとんど(観光地はどこ行ってもそんなの)中国、韓国からの観光客が多いというより、もしかして日本人があんまり観光に出かけていない…?

と、それはどうでもいいとして、この三段壁洞窟は地上の受付からエレベーターで地下の洞窟まで下りることができます。この三段壁洞窟はかつて源平合戦の折に源氏方に味方した熊野水軍が軍船を隠すのに利用したという伝説がある洞窟ですが、もう『軍船を隠した』って時点で神タタの船との関係をビンビンに感じて大興奮ですよ、マジで!

さらに興奮スポットとしてこの『潮吹き岩』があります。

 

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細かい演出にまできちんと元ネタがあるのが天外Ⅱの魅力の一つ

 

 

海水が勢いよく天に向かって放出されるというものなのですが、この海中洞窟内で潮が噴き上げられる光景…天外Ⅱの紀伊国における竜神洞(間欠泉)はこの三段壁洞窟と潮吹き岩が元ネタかと思われます。あのちょっとイライラする間欠泉は単なる嫌がらせではなく、きちんと和歌山という土地を根拠としたイベントだったんですね。こういった発見は実際に舞台巡りをしてこそわかるというものであり、このように天外魔境ジパングという世界と現実世界の日本国との間でリンクしている部分を見つけた時の感動は何とも言えません。この楽しみがある限り舞台巡りは止められないですね~

三段壁洞窟の荒波を見つめていると卍丸達が清姫村に向かっている姿が脳裏に浮かぶようです。それも天外魔境ジパングが単なる空想上の産物なのではなく、今回紹介したように現実世界と確かにリンクした『根拠がある空想』だからこそ30年近く時が過ぎた今現在においても魅力が全く失われていないのだと思います。

 

 白浜村(白浜町)の魅力あれこれ

さて、これで白浜町(白浜村)への舞台巡りは終了し、弐の銅鐸も入手できたわけですが、当初の予定では温泉が本当にあるかどうか確認することだけが目的でしたが、実際に行ってみると温泉以外にも様々な発見がありました。それにしても白浜町は温泉100点、食事100点、景色100点…と観光地としてのレベルは相当高いと思います。みんなも行かなきゃハドソン!

 

Lマップ

 

 

参考・引用ウェブサイト

 

歴戦の記録 http://www.reilou.sakura.ne.jp/tengai/index.shtml