イヒカの巨人探索記 壱の銅鐸編

日本に観光地は数多くあれど神社仏閣というジャンルの中で特に有名であるのは京都の清水寺と奈良の東大寺が二強なのではないでしょうか。私も東大寺には二度ほど訪れたことがあり、一度目は小学校の修学旅行でしたのでほとんど覚えていませんが、二度目は成人してからの個人的な旅行でしたのでよく覚えています。とにかく周囲から聞こえてくる声が中国語か韓国語ばかりで日本語が全然聞こえてこなかったことが印象的というか、というより奈良に限らず、国内のベタな観光地はほとんどそんな感じになっていますが…

さて東大寺ですが、一般に東大寺というと鹿と大仏のイメージが強いのではないかと思います。その重厚かつ巨大な大仏の姿は見る者を圧倒するかと思いますが、この大仏を見ていると誰しも一度はこんな妄想を楽しむのではないでしょうか?

 

『これが立って歩いたら面白いよなぁ…』

 

小学生並みの妄想ではありますが、ロボットアニメに馴染みの深い我が国では定番の妄想のはずです。(たぶん)さて天外魔境Ⅱにも奈良の大仏は登場し、前述した『立って歩く』という妄想をゲーム内で実現してくれます。その凝りに凝った出撃シーン、ある意味鋼鉄城より攻撃的な戦闘力などプレイして度肝を抜かれた人も多いのではないでしょうか。

卍丸達の伊勢国紀伊国における旅の目的は簡潔に述べれば『イヒカの巨人(密林城攻撃に必須)を起動させるための鍵である4つの銅鐸を探す。』ということになると思います。

余談ですが、卍丸達が旅する時代は現実でいう室町~江戸時代がイメージされるかと思いますが、銅鐸が造られていたのはそこから千年以上昔の弥生時代になります。(これ書くまで銅鐸って古墳時代のものかと思っていました…)これは千年前の火の勇者の時代よりももう少し昔になるかと思いますので紅丸たちの時代ですら、銅鐸とは古式ゆかしい品物だったのかもしれません。

さてこの4つの銅鐸は紀伊の国(和歌山県)の各所に散らばって隠されています。またしても余談になりますが、私の天外魔境Ⅱの舞台巡り歴の中で舞台巡りであることを意識して旅に出かけたのは和歌山県串本町橋杭岩が最初だったりします。(舞台巡りであると意識せずに結果的に舞台巡りとなったことはそれ以前からありましたが)

で、その時の串本への旅ですっかり和歌山県が気に入って、そこから和歌山への舞台巡りの旅を繰り返すようになりました。そしてこの度、道成寺を訪れたことで晴れて4つの銅鐸スポットを全て制覇して、イヒカの巨人機動の鍵を入手することができましたので、その記念に銅鐸探査記を四回に分けて投稿しようと思います。

では、密林城への道よーいドン!

 

壱の銅鐸編 串本村

一つ目の銅鐸が隠されているのはゲーム内では紀伊国串本村であり、モデルは和歌山県東牟婁郡串本町橋杭岩かと思われます。ここを訪れたのは2014年の1月でした。懐かしいですね…まだ以前の仕事をしている時であり、冬期休暇で帰省している時にふと思い立って宿の予約だけして出かけたのでした。旅程としては、まず新大阪駅まで出てそこから特急『くろしお』で串本駅に向かいます。余談ですが、この特急くろしおにはその後の舞台巡りでも何度もお世話になっています。

f:id:momo-tengai:20190720220056j:plain

くろしおは車内販売が無いので酒の買い忘れに注意。

私はこの時が和歌山初訪問だったのですが、晴天だったこともあり、車窓から見える景色が印象に残っています。和歌山と言えば蜜柑というイメージが強いかと思いますが、本当に車窓から蜜柑畑が多く見られましたね。天外Ⅱで蜜柑と言えば紀伊の国に出現する根の一族に『果肉の面』というゴレンジャーにでも出てきそうなデザインのやつがいましたね。天外Ⅱは各地にご当地根の一族ともいえるやつらがいるのでそれを見つける楽しみもあります。

 

串本村(串本町)に到着

f:id:momo-tengai:20190720220812j:plain

 

3時間ほど電車に揺られて串本駅に到着。第一印象としてはとにかくのどかで静かな漁村って感じですね。あんまりにものどか過ぎるのは地元の人にしたら不便で勘弁してほしいかと思いますが(うちの地元もそんなのです…)旅人としてはのどかでのんびりしてくれている方がありがたいですね。さて、すぐ橋杭岩に行ってもよかったのですが、時間があるのでまずは本州最南端である『潮岬』に向かいました。のどかな串本町の中でもここは特にのどかなようでほとんど人に合わなかった記憶があります。本州最南端の地から眺める太平洋。

f:id:momo-tengai:20190720221002j:plain

f:id:momo-tengai:20190721202643j:plain

f:id:momo-tengai:20190721103649j:plain

海と言えば日本海か瀬戸内海という人生を送ってきた私にとって太平洋の眺めはとにかく広大でその後、何度見ても気分が良いですね~瀬戸内海はともかく日本海も広大なはずなんですが、太平洋が一番広大な印象を受けました。卍丸達もこの広大な太平洋を神タタの船でもって旅したことでしょう。

 

 

橋杭岩

潮岬からバスで串本駅に戻ってから、徒歩で橋杭岩へ向かいました。この時点で昼過ぎくらいだったと思いますが、暑くてジャンパーを脱いだ記憶があります。正月過ぎだというのにこの陽気、さすが南国和歌山。歩いて15分ほどで橋杭岩に到着。

f:id:momo-tengai:20190721105350j:plain

f:id:momo-tengai:20190721103913j:plain

天外Ⅱの橋杭岩はサンゴの島に繋がっている。サンゴも串本町の観光資源の一つです。



見ての通り奇観・奇岩というべき景観であり、これが自然に出来た光景というのが面白いですね、名前の通りまさしく岩がアーチ状になっており、橋でも架かっているかのようです。天外魔境Ⅱの各種演出の秀逸なところは『現実と創作のバランスが絶妙』である点だと私は思います。この橋杭岩にしてもただ単に実在する名所として登場させるのではなく、名前の通り本当に橋が架かってその先に目的の物がある演出ですし、天橋立の場合は天外Ⅱにおいては単なる岬かと思わせて主人公たちの力によって本当に『天に光の橋が架かって目的地に導かれる』となっているなど、現実と創作が交差することで単なる名所案内になっていないところが本当に秀逸だと思います。

串本村(串本町)の魅力あれこれ

さて舞台巡りについては以上ですが、それ以外の串本町の魅力は何でしょうか?

私が思う串本の魅力は、まず『のどかな漁村感』が味わえるという点でしょうか。私が訪れたのが、正月過ぎというマリンスポーツと無縁の時期だったのもあるでしょうが、観光客もあまりおらず、というより夜になると地元の人にもあまり会うこともなく(一件目に入った寿司屋は貸し切り状態で二件目の居酒屋も二人ほどお客がいた程度)のどか~な空気を味わえることが出来ました。何というか変に観光地化されておらず、地元の人達の空気をそのまま味わえると言いますか、後に訪れた白浜町などは観光地としての度合いが高いこともあるのか、『観光客さんいらっしゃ~い!』という歓迎システムが確立されている感じがあって、それが快適でもあり、若干の味気無さを感じたのですが、串本は『素』という印象ですね。寿司屋が20時過ぎに閉まるというのも地元感があって良いじゃないですか。一件目の寿司屋でちょっと呑んで、二件目の居酒屋で大分呑んで、いい気分でホテルまで帰る道中が街灯も疎らで歩行者にほぼ会わず、聞こえてくるのは車が通過する音くらいというのに堪らなく旅情を感じますね

もっとものどか、のどかと何度も言ってしまいましたが、串本町の最大の魅力はスキューバダイビングを始めとするマリンスポーツですので最盛期の夏はもっと町全体が盛り上がっているはずです。しかし、完全にシーズン外の1月に訪れても魅力たっぷりな町であることは間違いありません。

そしてもう一つ。天外Ⅱの串本村には暗黒ラン封印後に嘆きの谷から出てきたイヒカの民が登場します。そのイヒカの民は海を見つめつつこのような台詞を呟きます。

 

千年もあんな所に住んでたので
魚類を見たのははじめてなんです
谷の者にも本物を見せてやりたい

 

 串本の海と魚は初めて見る者の心を動かすだけの価値があるものということですね。前述したように串本のメイン産業はスキューバダイビングなどのマリンスポーツです。ということはイヒカの民が感動したように私もスキューバに挑戦して串本の海と魚を満喫しなければ舞台巡りをしたとは言えないのではないか…?うーん、海まで舞台巡りの範囲に入れるとなれば和歌山県は本当に広いですね。本当にジパングを知りたいのなら船舶免許を取って船で新宮から和歌山まで旅をするくらいの気合が必要なんでしょうね、そこまでしようと思わないのが私はダメですね…(またしても余談になりますが、日本という国は狭いというイメージがあり、確かに世界地図上で他国と比べれば単純な面積では狭いですが、実際に電車やバイクで巡ってみると十分すぎるくらい広いです。さらにその広さも自分に許されている時間、つまり2,3日の休暇という限られた時間を考えると日本、ジパングという世界は極めて広大だと思います。)

長々とした文章になってしまいましたが、とりあえず壱の銅鐸入手完了!ポーン!(あの効果音)

 

 

Lマップ